2003年のジュネーブ・ショーで発表された、360モデナの正常進化と称するのが適切であろう。ドアのインナーパネル/アンダーカウルをカーボン製にし、
エンジンフードを軽量なレキザン製に変更するなど、徹底した軽量化が行われており、車重はノーマルより110kg軽い1280kgとなっている。
サスペンションはスプリング/ダンパー/スタビライザーが強化されるとともに、
セッティングが見直され、車高はモデナに比べて15mmダウンの1199mmとなっている。ブレーキディスクは、
エンツォ譲りのカーボンセラミックで、フロントが380mm径、リアが350mm径。スチール製の同サイズのものよりも
約1%ほど軽く仕上がっているという。キャリパーは、アルミでフロントは6ポット、リアは4ポットなっている。
フロントバンパー、アンダーカバー、リアディフューザー、
サイドシルの形状を変更し、エアロダイナミクスを追求。Cd値は0.355とほとんど変わらないが、ダウンフォースはノーマルの
モデナに比べて約50%の増加となっている。まさに路面に車体を吸いつけて離さないといった印象だ。
エンジンは水冷90度V型8気筒DOHCのままだが、吸排気系システムやピストン形状変更、ECUプログラミングの
リニューアルにより、最高出力はノーマルより25PSアップの425PSを発揮する。エンジンルームは、両サイドのインナーパネル、
エアクリーナーケースがカーボン製になっている程度だ。組み合わされるミッションは、
6速MTをベースとしたセミATのF1マチックのみとなっている。
■全長×全幅×全高(mm)4477×1922×1199
■車両総重量(kg)1280
■エンジン水冷90度V型8気筒DOHC40バルブ
■総排気量(cc)3586
■最高出力(PS/rpm)425/8500
■最大トルク(kgm/rpm)38.0/4750
■ホイール 7.5J×19(F)、10J×19(R)
■タイヤ225/35ZR19(F)、285/35ZR19(R)
■0→100km/h(秒)4.1